Google Apps Script + Trello で無料の簡易ナレッジベースを作って数年運用してみた
はじめに
アノテーション オペレーションチームの荒川です。
最後にブログで挨拶をしたときは、クラスメソッド モバイルアプリサービス部(プリサー)所属でしたが、アノテーションへ移り、気づけば 3 年ほど経過していました。
今年はテクニカルサポートノートというシリーズ記事で、トラブルシューティングに関する小ネタを書き続けています。このシリーズでは名乗らないようにしている(トラシュ以外の文字を極力削る)ので、久しぶりの挨拶になります。
4 月から General ユニットというオペレーションチーム内のさらに小規模なチームでリーダーをやっています。
AWS サポート業務に特化したジェネラリスト(それはスペシャリストじゃないのかという話はさておき)として任せられるメンバーや、新入社メンバーに対して、AWS テクニカルサポートの基本など、AWS が絡む情報技術全般について教える業務を担当しています。
今回の記事は AWS に関する運用を行っていく中で、日々溜まるナレッジを記録するツールをだいぶ前に作ったので紹介します。
ツールのコンセプト
オペレーションチームはさまざまな経歴を持つメンバーがいますので、以下を重視してツールを作りました。
- できるだけ既存で使用しているツールに変更を加えない
- ユーザーは直感的に操作ができる
- 操作も運用もなるべく Chrome 上で完結する
- 週次のチームミーティングで進捗を含めた共有がしやすい形式
- 記録したナレッジをグラフにできる
ツールを作った当初は私がサブリーダーのポジションだったので、リーダーが四半期報告会で成果として報告するために、パワーポイントなどで使いやすいようにしたいと考えていました。
ツールの対象者
- AWS テクニカルサポートの技術対応業務を日々行っているメンバー(執筆時点で10人前後)
ツールの構成
- Atlassian Confluence
- 既存ナレッジベース
- Trello
- ナレッジ追加タスクの進捗管理
- レビュー待ちの状態に置かれたカードは週次定例 MTG で共有
- Google Apps Script
- 自動化基盤
- 定時実行
- スクリプト実行
- Google スプレッドシート
- 一覧表示
- グラフ作成
ざっくりした構成図
利点
- Google アカウントがあれば環境がすぐ作れる
- ツールを作った際に画面デザインがほとんど不要
- 維持コストが 0 円(Confluence は既存利用だったので料金から除外)
- 運用の手間がほとんどかからない
使ってみて
2018 年 10 月から集計を始め、執筆時点(2021/04/17)で 358 件のナレッジが記録されていました。
思っていたよりもナレッジが溜まっていました。また、私がまったく操作を加えなくても(こんなの作ったからもし良かったら使ってみて〜で)運用され続けていたのが嬉しい限りです。ツールを使ってくれる & 知見をため続けてくれるメンバーにあらためて感謝します。
今では四半期の定量成果として「ブログ、もしくはナレッジ○○件」など、目標数値として使われていて、作って良かったなーと感じています。
課題
ナレッジを溜め込めたのは良いですが、溜まった情報の検索性があまりよくないです。
いずれナレッジを活かすようなツールも作りたいです。
まとめ
Trello や Google スプレッドシートは使い方を 5 分ほど説明すればみんな使えるようになるので、直感的な操作ができて良いツールだと思います。
また API や Slack 連携用アプリが公開されているので、簡単にサービス同士を組み合わせることが可能です。
Trello はタスク管理、スプレッドシートは表として適しています。それぞれのツールの本来の用途にあった使い方を心がけましょう。
Google Apps Script のコードは Gist で公開しましたので、もし気になったら見てください。